銀行テクノロジースタートアップ10x、トップ幹部の退任で年間損失を7%減の5500万ポンドに

元英国銀行家が設立した英国の銀行技術スタートアップ バークレイズCEOアントニー・ジェンキンス 同社は最高執行責任者が退任することに伴い、2023年の年間損失が7%減少して5,510万ポンドになると報告した。

2016年に設立された10xは銀行にソフトウェアを販売しており、銀行や金融機関に小規模でスピーディーかつ安価な銀行技術を提供することで、既存の銀行モデルを破壊しようとしている数社のうちの1社である。

10xは、同社のソフトウェアで運営されている英国のデジタル銀行チェースを運営するJPモルガン、オーストラリアの銀行ウエストパック、アフリカ全域に拠点を置く金融グループのオールド・ミューチュアルなどの顧客を獲得してきた。同社は今年初め、既存の投資家であるブラックロックとJPモルガンが主導する3,500万ポンドの資金調達ラウンドを発表した。これは、10x Bankingの評価額が約6億ポンドだった2021年以来初の資金調達ラウンドとなる。

10xの親会社である10xホールディングスの数字によると、同社の損失は2022年度の5,960万ポンドから2023年度の5,510万ポンドに減少した。売上高は前年とほぼ同水準の2,180万ポンドにとどまった。決算書によると、2023年に10xは既存の投資家を通じて無担保転換社債を通じて3,500万ポンドの資金を確保し、そのうち1,500万ポンドは昨年12月までに引き出された。

同社は「既存の投資家からの資金は、2025年に予想される損益分岐点および純営業キャッシュフローの時点まで、またそれ以降の事業運営に充てられる」としている。同社は2023年末時点で1610万ポンドの現金を銀行に保有していると述べた。

従業員数はこの1年で401人から327人に削減されたが、最も高額の報酬を得ていた取締役はおそらくジェンキンス氏で、50万ポンドの報酬を得ていた。10xの最高執行責任者兼最高財務責任者であるカート・ヘスは今年6月に同社を去った。ヘスは以前、バークレイズで米国顧客事業のCEOを務めていた。

ヘス氏は現在、決済会社ヴィテッセPSPリミテッドの米国執行社長を務めている。